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BFTSインタビュー: ギター、ギタークラフト、そしてBFTS

第二回目のBFTSインタビューでは、BFTS日本導入当初から公認リペアショップとして活躍され又ギタークラフトマンとして圧倒的な支持を受けるT'S GUITARS高橋謙次氏を迎える事となった。

Kenji Takahashi鉄人クラフトマンへの道のりは長い。 謙次氏は長野県の工房、楽器店勤務、ギター講師、アメリカ内ギター工場でのリペア業務などを経験した後、双子の兄信治氏と 共に1985年にカスタムメイド/リペアを中心とするティーズギターを設立。現在は自社製品製作の他OEMを含めるハイエンド ギター、ベース、アコースティックギター、ウクレレなどの生産を行う。

国内はもとより海外からもティーズギターの人気は増え続け、1月に100本以上のギターを生産する成功ぶりだ。 昨年の11月にはウクレレの発祥地ハワイで毎年行われる「UKULELE GUILD OF HAWAII」では日本人初の “BEST OF SHOW" を受賞。顧客には渡辺香津美氏、吉川忠英氏、春日博文氏(元カルメンマキ&OZ)、 原とも也氏など日本の実力派アーティストを抱える。

BFTSトレイニングに謙次氏が参加されてから数年が経つ。イギリス、アメリカからやってきたリペアマンに混じり、 言葉の壁を乗り越え、貪欲に新たな技術や知識を習得されていた。寡黙な印象を受けたものの、そのひたむきなギターへ対する情熱は、 トレイニング後のリペアマン同士のギター演奏で明確にうかがえた。謙次氏が抱くギターへの思いを存分に聞いてみたい。

ティーズギター"ARC-HOLLOW"

T'sArcHollow

  • きっかけは一冊の雑誌からと聞いてますが?

    ちょうど自分がギターを弾き始めて夢中になっていた頃に発刊された「楽器の本」(Player誌別冊)という書籍を読み、 その中でカスタムギターやリペア業界を知り随分あこがれるようになりました。若い頃はギタリスト志望だったのですが(笑)、 元来ものいじりが好きなこともありまして。現在はこの仕事が天職かなと思っています。

  • T'S GUITARSの特徴を教えて下さい。

    個人工房ならではの細かな部分へのこだわりを持ちながらCNCルーターなど最新の設備も駆使している点はT‘sで 大きなプラスです。OEMでは高品質で信頼できる楽器をカスタムショップの観点から生産しております。又カスタム メイドではリペアやOEM業務から得た経験、ノウハウの全てが自社ギターに生かされています。リペアをするにしても 楽器製作をしているがゆえの高品質なサービスを提供することが出来るのです。

  • ”PAIN IN THE NECK!”ーギター製作でのトラブルを避ける秘訣とは?

    ギター、ベース共に楽器としての要となるのがネックです。ですからネックの強度、精度、安定性、演奏性にまずこだわります。 良しと判断されたネックが出来たら、ユーザーの依頼に応じてボディやパーツなどにバリエーションを加えます。 トラブルの大半がネックにあることをリペア業務で経験しているので、まずはトラブルの無いネックと言う事を念頭においてます。 もちろん材料は厳選した物を選び、その材を理想的な状況の中でさらに寝かせて安定させ、精度良く慎重に加工し時間をかけて仕上げます。

  • ギター製作で気をつけている事は?

    どれだけ楽に気持ち良く弾くことが出来るか、どれだけ余分なことを考えず演奏に集中できるかはプレイヤーにとって非常に重要なファクターであると思います。作り手として、又僕自身がプレイヤーである事からも、弾く事を意識しないで済むくらいに楽に弾くことが出来、その上で素晴らしいパフォーマンスが実現出来る、そんなギターを作り続けていきたいと思っています。手抜きなんて出来ません。ギターそれぞれのパーツがわずかでも良い方向にいくよう小さな作業を積み重ねていくのです。
  • 特に影響を受けたギターはありますか?

    アメリカ工房製のギター、特にJAMES TYLERやTOM ANDERSONには非常に影響を受けました。アコースティックギターに関しても数々の高名なルシアーがいる西海岸は私にとって「聖地」と言って良いかもしれません。国内では内田光広さんというアコースティックの製作家がいらっしゃいますが、彼のギター作りに対する姿勢や考え方は僕のギター製作に大きな影響を与えています。

バズフィートンチューニングシステム: BFTS

  • BFTSとの出会いについて?

    ギターを弾き始めたのは高校生くらいでしたがその時からチューニングは合わないものと半ば諦めていました。 というのも誰に聞いても、又は専門書を読んでもギターはそういうものという答えしか得られませんでしたから。 製作を始めてからも疑いもせず12フレットのハーモニクスと実音でイントネーションを合わせていましたが、やはりどこかで不満を持ち続けていたのでしょう。ある日インターネットで検索しているうちにBFTSのサイトにたどり着きメールで問い合わせたのが全ての始まりですね。私の不慣れな英語にも親切に対応してくれたBFTSの皆さんにはとても感謝しています。

  • BFTSの魅力について

    ずばり「違和感」を感じなくなる事です。和音や個々の音程に関して何も違和感を感ずることなく演奏が出来るのは 素晴らしいの一言に尽きます。今までは必ずどこかの音が調子っぱずれで、絶えずペグを回したり弦を引っぱったり しながらギターを弾いていましたから。顧客からも"長年の悩みから開放された。" "チューニングだけでなく音まで 良くなった気がする。" "自由な演奏ができ創造力が刺激されます。"と好評です。T'S GUITARSのウェブサイト "USER'S VOICE"というコーナーにお客様の声を挙げているので是非ご覧下さい。

謙次氏はギターと我々の間にたつ翻訳者とも言える。顧客側からの要望、ギターの状態、環境の変化などをそれぞれ分かった上で初めてギターと 向き合い語り合う。その"翻訳"技術は長年のギター製作、リペア業務、OEM生産過程で鍛えられますます磨かれていく。顧客とギターの間で何度となく難解な状況に立たされた事は言うまでもない。それでもギターが大好きなのである。ギター製作を天職と語る謙次氏。その情熱、技術、経験が可能な限り凝縮されたギターを是非ご自身で試して頂きたい。

T'S GUITARS 販売店
イケベ楽器店(www.ikebe-gakki.com/index.php
Walkin'(www.walkin.co.jp

T'S GUITARS
高橋謙次
長野県 塩尻市 広丘 野村 1871-1
T. 0263 54 3190
F. 0263 54 3850
abalone@guitar-shop.co.jp
www.guitar-shop.co.jp