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BFTSインタビュー: ギター、ギタークラフト、そしてBFTS

第一回目のBFTSインタビューでは、BFTS当初から公認リペアマンとして活躍し、 世界中のギタリストから絶賛される入戸野徹(にっとの とおる)氏を迎える事となった。

Toru Nittono日戸野氏のキャリアは1970年代に始まる。日本の楽器メーカー、ギター工場の勤務を通し楽器製作の基礎を学ぶ中、勤めていたメーカーと提携関係にあったアメリカのL.A. Guitar Works カスタム・リペアショップから声がかかり渡米。1981年以来、Los Angelesで18年間リペアやカスタムギター製作に携る。

2000年、L.A. Guitar Worksから独立しTORU NITTONO GUITARSを立ち上げる。顧客にはトム・ペティー、マイク・キャンベル、 ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、ジョン・サイクス、ココ・モントーヤ、元アース、ウィンド、& ファイアーのアル・マッケイ、 ジョン・ピサノ、ロベン・フォードなどの実力派プレイヤーを抱える。最近ではカルロス・サンタナが日戸野氏のJazz Nylonモデルを購入し、 ワールドツアー(2006年の日本公演を含む)などで使用。

TORU NITTONO GUITARS

TN Guitars

  • アメリカに渡米したのは80年の初頭だと聞いてますが?

    当時の私はあまり英語も喋れないのに結構気楽に渡米を決断してしまいました。特にアメリカに憧れていたという訳ではありませんが、 生まれ育ったのが横浜で自宅の裏は米軍家族の居留区で、金網の向うは50年から60年代ぐらいの昔テレビでよく見たアメリカの景色そのままでした。 そんなアメリカで生まれたエレキ・ギターですから、一体どんな人達がどのようにしてこの楽器を誕生させたのかを知りたくなったというのが その決断の背景にあったのだと思います。

  • TORU NITTONO GUITARSの特徴を教えて下さい

    私が考える自分の楽器の特徴といえば、修理屋の視点から企画やデザインがなされているということではないでしょうか。 つまり修理業務を通して過去にありとあらゆる楽器の問題点に遭遇しそれらを分析してきました。そういった問題点を 「先回り」して回避/改良しギターの設計に取り入れています。ですから、私の楽器はかなりユーザー・フレンドリーなのではないかと思います。

  • 特に影響を受けたギターはありますか?

    特定の楽器に影響をうけたということはないのですが、50年、60年代のマーティン、ギブソン、フェンダーなどの、 古き良き時代のアメリカの楽器に多く触れられたことは私にとって大きな財産となりました。なにしろ、私が働いて いた当時のL.A. Guitar Worksが、ヴィンテージ・ギター界の草分けであるNorm's Rare Guitarsの隣にあって、日々彼らから 仕事を請け負っていましたから。今では考えられないような貴重で高価な楽器を日常的にあつかっていたことは、 自分をかなりスケールアップさせましたね。これらの経験の中でめぐりあった素晴らしい楽器たちに触れた時は本当に感動します。 良い楽器は初めて手にしたのに、まるで10年間も愛用しているかのように手になじみます。サウンドはタイトな低音や耳に痛くない高音、 まさに熟成されているかの様です。そして一旦手にしたら弾くのが止まらなくなり、ワクワクする楽しさが持続するのです。 こういった感覚を私の楽器を通して少しでも伝えることが出来るならと考えています。

  • ギター製作で気をつけている事は?

    材料一つ一つの個体の特性を最大限に引き出す必要があると考えています。時に私は材料に合わせ、微妙な構造や数値すらも変えて いったり、同じモデルでも違うピックアップを選択したりします。個人製作で出来るメリットとしてこのような材料主導型の様な考え方も NITTONO GUITARSの特徴と言えるかもしれませんね。勿論、BFTSがこれらのアレンジの一旦を担う時があるのは言うまでもありません。 全ての判断は私の耳と目、そして感覚で判断しますので、スペックは異なれど、最終的には私の楽器として誕生することになるのです。

バズフィートンチューニングシステム: BFTS

  • BFTSとの出会いについて?

    当初は友人のトム・アンダーソンからBFTSの話を聞き興味をもちました。後にBFTSのクラスを受講することになりバジーの 行ったデモ演奏を通してその効果に驚かされました。特にナイロン弦ギターでのデモは圧巻で、只でさえイントネーション( オクターヴ・ピッチ)の合いづらいナイロン弦を複雑なヴォイシングによるコードチェンジで演奏し、そのコードのまとまり感がとても 自然に聞こえたのです。「ナイロン弦はイントネーションが合わないもの」と半場あきらめていた認識が一瞬にして変わり、同時にバジーの ような演奏が出来れば説得力抜群なのにと自分を呪いました(笑)。

  • BFTSの魅力については?

    私が感じるBFTSの大きな特徴は、コードを鳴らした時の各弦のまとまりがとても良くなるということ。 厳密にいえば、どのコードを弾いても極端に音が飛び出る(ハズレる)ノートが無くなることだと思います。 この現象を私はいつもクライアントに、人間6人を弦、一つの傘をコードに例えて説明します。つまり、「6人が遠慮しあって傘に入れば、 みなそれぞれ体の一部が濡れてしまいますが、BFTSでは6人がうまく身を寄せ合って傘に入るので、ほとんど誰も濡れなくなる (まとまったコード感)。」と。私は特にこの要素がアコースティック楽器、とりわけナイロン弦に顕著にあらわれるのをバジーの クラスで体感したのです。

  • BFTSユーザーの反応はいかがですか?

    従来のチューニング法に耳が慣れてしまっている方は、最初多少の”違和感”のような物を感じるようです。しかし大半の方は すぐBFTSに耳が馴染むようで、それ以降は従来の調音法に逆に不満を感じてゆく様です。またBFTSにすると、 キーボードとの音馴染みが格段によくなったという声を数多く聞きます。その他多数の方から、BFTSだとチューニングが多少狂っても 目立ちにくいようだと言われたことがあります。BFTSにはまだまだ多くの可能性が残っていると信じてます。

長年のギターリペア業務によって得た経験とアイデアを集積したまさに理想とも言える TORU NITTONO GUITARS。 外観の美しさは言うまでもないが、ギターに触れた瞬間のなじみ感は神懸かりといってもよいほどである。 奥行きの深くバランスのとれたトーナリティーは透さんが愛するヴィンテージギターを彷彿とさせる。

TORU NITTONO GUITARS 販売店
Velvet Sound : www.velvetsound.com
WALKiN : www.walkin.co.jp